2012年4月1日日曜日

東電原発事故の真相に迫る(

東電福島第一原発事故の本当の理由は何か?政府は、地震と津波によって、全電源喪失状態となり、原子炉の冷却ができなかったことを原因としている。しかし、専門家の中には、地震によって圧力容器や格納容器につながる配管が損傷を受け、冷却材が喪失したことが原因であると指摘している人もいる。(元原子炉製造技術者の田中三彦さんなど)
ドイツZDFが製作した「フクシマのうそ」という番組は事故の真相に迫る内容だったので紹介する。
アメリカ側の点検主任として福島第一原発で作業していたケイ・スガオカ氏は、もともと原子炉には欠陥(蒸気乾燥機に亀裂と180度反転の取り付けミス)があったと指摘している。スガオカ氏からの告発を受け、2001年に東電が報告書を改竄していることと、このようなことを続けているとやがて重大事故が起こることを新聞で訴えたのが、前福島県知事の佐藤栄佐久さんだった。この記事により、東電の原発17機全てが一時停止となった。当時の調査委員会は、東電が以前から重大な事故を隠蔽し、安全点検の報告書でデータを改竄していたことを明らかにした。これにより東電の役員は一新され、このとき代表取締役に就いたのが現会長の勝俣恒久である。その後、佐藤知事に対する復讐が始まり、不正土地取引の疑いをかけられた佐藤さんは、2006年9月5期目の任期途中で辞任に追い込まれた。(後の裁判では佐藤さんの無罪が確定している)
もう一人、同じように原子力ムラの圧力によって辞任に追い込まれた人がいる。前首相の菅直人さんだ。菅首相は、事故直後、福島第一原発から撤退したいと内密に打診してきた東電に対し、撤退を認めず、職員を現場に踏みとどまらせている。原発事故の引き金は津波だったかもしれないが、それ以前に当然しておくべき対策をしてなかったことが問題で、事故の過失は責任者にあると菅さんは証言している。(福島第一原発は、冷却に必要な海水をくみ上げやすい場所の方が経済的という理由で、標高35メートルの場所から標高10メートルの位置へ変更して建設されている)
さらに番組は、福島第一原発4号機が地震でかなり損傷していることにも触れている。もう一度大きな地震が起これば建物は崩壊し、新たな臨界が起こる。臨界が起これば、放射能は致死量に達し、この世の終わりとなるだろうと指摘している。
最後に、地震学者の島村英紀さんが、地震の揺れ速度が、これまでの予測よりずっと速まってきていることを指摘している。原発は、加速度300~450ガルの地震が来ることを想定して設計されている。(格納容器は600ガルまで耐えられるよう設計)しかし、最近の地震調査により、加速度は、4000ガルまで達していることがわかってきた。2月に東大地震研究所は、4年以内に75%の確立で首都直下型地震が襲うと発表した。島村さんは、このような地震が起こった場合には、原発が影響を受ける確率が高いと警告している。
次の大地震がくるまで、日本人に与えられている時間はどのくらいだろうか?脱原発以外に選択肢はない。